鳴門市では、増田友也設計の19建築群のうち、「市役所」「市民会館」「共済会館」を解体した敷地に建設する「新市庁舎」の設計が、民間設計事務所に委託され進んでいます。
徳島市では、徳島市文化センター跡地への新ホール整備計画が進み、設計・施工一括プロポーザルのによる事業者選定の結果発表を10月末に待っている状況です。市長交代まで招いた新ホールの建設がいよいよ始まろうとしていますが、こちらもその立地や規模が適正かどうか、 様々な意見が聞こえてきます。 そんな中、10月10日には 「徳島そごう」 が撤退というニュースが報道されました。 来年の8月には全国で唯一百貨店の無い都道府県になるそうで、中心市街地の新陳代謝が何かチグハグな印象です。
両市に共通している課題は、 古くなったから同じ場所に建て替えよう。補助金が貰えるなら建て替えよう。といった近視眼的かつ対処療法的な計画にしかなっておらず、20年先、50年先、子どもたち、孫たにち引継ぐような長期的な「マチのヴィジョン」が無いことではないでしょうか。高度経済成長時代の建物が建て替えの時期を迎えマチが成熟していく中で、これまでのような行政任せのマチづくりから脱却し、市民と行政が自分たちのマチの未来を共に描く時代が到来しているのではないでしょうか。
本講座では、 徳島新聞にも寄稿されたことのある建築家の吉原さんをアメリカ・ニューヨークより迎え、 海外の事例を紹介頂きながら、「マチの未来」について考えます。